湯田塾

いろいろなことをやっているブログです。

理論化学超特急丸わかり講座~全12回

蒸気圧降下と沸点上昇~理論化学超特急丸わかり講座⑦

投稿日:2020年5月21日 更新日:

蒸気圧降下と沸点上昇

蒸気圧降下と沸点上昇についてです。

蒸気圧とは、液体の物質が一部気体となっており、蒸発した気体粒子のもつ圧力のことです。

沸点上昇とは、溶質が溶媒に溶けたときに沸点が上昇することです。

蒸気圧降下

蒸気圧

水は全部が液体ではなく、一部は気体となって水面から飛びたつ粒子もあります。(蒸発)

かたや、気体から液体になる粒子もあります。(凝縮)

変わらないようでいて、常に変化しています。

凝縮スピードと蒸発スピードが一緒のとき、変わっていないように見えます。この状態を「気液平衡」といいます。

この気液平衡のときの気体の圧力(蒸気圧)を飽和蒸気圧といいます。

蒸気圧降下

溶質が溶媒に溶けると、溶液全体の溶媒粒子の割合が少なくなります。

すると溶媒粒子の、液体表面の割合も減り、蒸発する速度が遅くなります。

そのため、同じ温度で比べると、蒸気圧が降下するのです。

沸点上昇

溶質が溶媒に溶けているとき、沸点が上昇します。

沸点は沸騰する温度

沸点とは、蒸気圧が大気圧より大きくなったときにおこる「沸騰」の温度です。

大気圧も気体の圧力です。

溶媒の蒸気圧が大気圧より大きくなると、溶媒内部に形成した気泡がつぶれずにそのまま大気圧に打ち勝って水の中を上がっていき、沸騰するわけです。

溶質が溶媒に溶けると、沸点が上昇する

溶質が溶媒に溶けると、蒸気圧降下が起きるため、沸騰するためには(蒸気圧が大気圧にうちかつためには)より高い温度が必要となります。

そのため、溶質が溶媒に溶けると、沸点上昇が起こるわけです。

-理論化学超特急丸わかり講座~全12回

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

物質の3態 個体・液体・気体 理論化学超特急

物質の3態(個体・液体・気体)~理論化学超特急丸わかり講座③

物質の3態(個体・液体・気体) ~すべての物質は個体・液体・気体の3態を取る~ 原子同士が、目に見えるほどまで結合して巨大化すると、液体や固体になります。 しかしながら、温度を上げることで、気体にする …

物質量モルHP用

物質量1(mol)は6.02×10²³(個)の粒子の集まり~理論化学超特急丸わかり講座④

物質量1(mol)は炭素12gが測れる計量カップ中の炭素原子の個数6.02×10²³(個) 物質量1(mol)は6.02×10²³(個)の粒子の集まりです。 なぜこのような巨大な個数を1モルとして考え …

ほとんどのものは水と混ざっている~理論化学超特急丸わかり講座⑥

ほとんど水と混ざっている ほとんどのものは水と混ざった状態で存在しています。 そのため水と粒子(個体・液体・気体)が混ざるとどうなるのかをみていきましょう。 水は水素結合している 水は水分子H₂Oが水 …

原子の形 分子か分子以外か

原子の形 分子か分子以外か~理論化学超特急丸わかり講座②

原子の形 分子か分子以外か 希ガス以外の元素は、原子のままではなく 分子か分子以外か で存在します。 希ガス以外の元素は原子のままでは不安定(くっつきやすい、バリアーが弱い)なので、分子か分子以外の形 …

気体の状態方程式

気体の状態方程式PV=nRT~理論化学超特急丸わかり講座⑤

気体の状態方程式はPV=nRT~ 気体の状態方程式はPV=nRTです。 Pは圧力Vは体積nは物質量Rは定数(ある数字 という意味)(気体定数)Tは温度 気体は小さすぎて目に見えませんが、小さな粒子です …